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悲しい話

 高宮さんは幼少時、鬼に攫われたことがあるという。
「はい?」
 私が笑って聞き返すと、彼女は黙ってシャツをめくり、臍を見せた。
 臍には親指が三本入りそうな空洞があった。周りの肉は火傷跡のように引き攣っていた。
「あとここにも」
 服を首元までめくりあげた。
 黒の下着が見える。
「そこじゃない」
 高宮さんは服を掴む手の、空いた指で脇を指した。
 隠れていた部分はマグロの赤身のように見えた。皮膚を一枚めくった人体標本のような脇だった。
「鬼に改造されたの。悪い子には罰だって」
「いくつぐらいの話?」
「小学校低学年の頃だと思う。きっと。あんまり覚えてないけど」
「本当の話?」と訊くと「本当の話」と高宮さんは笑って答えた。
 であれば、私は何も言えない。
 胸元の煙草の形をした火傷跡を思い返すと、今でも苦しい。


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コメント
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虐待か、変質者に誘拐され酷い目に合わされたのでしょうか…
鬼に攫われた、と微笑む彼女が悲しいです

2013-09-17 09:36 │ from 名無しURL

気の毒だけど普通に虐待だよな子供の記憶なんて結構曖昧で辻褄が合わないことがあるからな。

2013-09-19 00:42 │ from 納豆大使URL

子供と動物の虐待は許せない!

2016-07-23 14:57 │ from 零URL

No title

悲しいというよりムナクソ悪い話だな。
幼児虐待じゃん。
そこまでひどい事されてて、死ななくて良かったよ…

2017-05-22 18:00 │ from 名無しURL

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