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最低の飯

「怖い話はないけど、今まで口にした最低の飯の話でいいか?」
 小川は今まで口にした最低最悪のものを簡単に説明した。
 それは駅前の喫煙所に生えていたシロツメグサを、スーパーでタダで貰ってきた牛脂八個で炒めたものを丼飯にかけた代物だった。
 どんな身体をはった罰ゲームだよ、と私が笑うと彼は、
「浪費家の彼女のせいだよ」
 と答えた。
 小川が浪費癖を咎めた結果、無料で作れるというコンセプトで彼女が創作したという。
 食べなきゃ死ぬ、と叫ぶ彼女に小川は一口だけ食べ、即座に吐いたそうだ。
「中身は吐きながら聞いたよ。酔っ払いの小便がかかって煙草の煙でいぶされたシロツメグサ。牛脂じゃ全くごまかされねぇ、あの鼻を潰す匂い」
 彼女は泣いて出ていったが、二年後には結婚したという知らせを小川は聞いた。
 そして二ヵ月後に離婚したと聞き、小川は溜飲を下げたそうだ。


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