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激安五十分八千円

 小暮は六年前まで風俗狂いだった。
 給料の大半を個室ヘル○・ピンサ○・出張ヘル○に注ぎ込んでいた。
 会社員になりたての頃、先輩に風俗を教えられてから一気にのめり込んだという。
「女いなかったし、他に金使うあてもないし」
 性欲を持て余していた小暮は「質」よりも「量」、つまり安さを重視していた。
「とんでもないブスやババァにあたったことも一度や二度じゃないね。いっぺんなんて失語症のプロレスラーみたいなヤツに咥えられたよ」
 それでもやめなかった。性病は二度もらった。
 性欲は過剰だった。
 まだネットで風俗を探す時代でもなかったという。歌舞伎町で一杯飲んだ小暮は普段行き慣れた案内所に向かった。
 だが休業日なのかシャッターは下りてあった。しかしこのまま帰るつもりもない。
 客引きには一度ボッタクリされたので利用しない。とりあえずコンビニに入り一番売れている風俗誌をとった。
「激安、五十分八千円」とあった。
 プラスホテル代で一万円そこそこだ。風俗誌の広告写真を信用しているわけではないが、それでも可愛い女の子がいそうな雰囲気はある。自然とそちらに足は向いていった。
 受付を済ませ、ホテルで待機しているとドアチャイムが鳴った。
 開けると、推定年齢三十五くらいの青白い顔をした女が立っていたという。
 長い髪から上目遣いの瞳がのぞく。
 顔立ちはそう悪くもなかったので小暮はチェンジはせず、そのまま部屋に招きいれた。
 シャワーを浴び、イソジンでうがいを終えるとプレイが始まった。
 陰気な女で、世間話の類はほぼない。会話もなく女は小暮の体に舌を這わせた。
 ベッドに横たわりながら胸に手を伸ばすと、脂肪の変わりに綿でも詰まってるんじゃないかと思うほど、弾力のない胸だった。
「何カップ?」
「C」
「じゃあ寄せて、それで俺のチ○コ挟んでよ」
 小暮の要望に、女はダルそうに体を起こした。
 女の顔が近づき、異臭が小暮の鼻を襲った。どうやら女の息の匂いだった。炎天下に放置された鮮魚の匂いがしたという。小暮はそれをさほどオブラートに包まずに女に告げた。
「口くさいけど、胃とかやられてんじゃない?」
「……」
「病気とかないよね?」
「ありません」
「しかしなんだろうこの匂い。自分で気づかないもん?」
 女は黙ったまま胸を前後にスライドさせた。
 それでも匂いは無視できた。快感が徐々に小暮の頭を麻痺させていく。
「ねえ咥えてよ。まさかゴムフェ○? お店の奴から生フェ○してくれるって聞いたけど」
 女はじっと小暮を見つめたという。
「早くして。時間ないしさ」
「わかりました」
 嬢の行動は小暮の予想、どうせ未熟なサービスだろうという思い込みを覆した。
「よくあるのがさ、ペロペロキャンディーみたいに適当に舐めてハイ終わりっていうふざけたサービスじゃなくて……」
 竿舐めをそこそこに、喉の奥までペ○スを含んだ。獅子舞のように首を振り、長いストロークを繰り返した。AV動画のような激しい音も続いたという。
「そりゃもうジュッポジュッポとさ……っは」
 ちょっとどうかと思うくらい、下種な笑いを小暮は浮かべた。
「いい感じになってきたから、ダメもとで交渉したんだよ。本番させてくれって」
 通常の風俗では挿入、つまり本番行為は禁止されている。法律違反になるので店へのペナルティーが重いのだ。しかし個室には二人しか存在しない場なのだ。プラス料金を払えば挿入をさせる風俗嬢も多いという。
 女はタダでいいと言った。
 調子に乗った小暮は「最後は外に出すから」とコンドームを装着しない挿入をお願いした。
「わかりました」
 女は面倒くさそうに股を広げた。
「だから俺思ったんだよ。もう口を動かしたりすんの疲れたんだろうなぁって。本番だったら女側はなんにもしなくていいからさ」
 小暮は怒張したペ○スを、女の膣にあてがった。濡れていた。
「はふぅ……」
 女を衝いた時、温い泥に突っ込んだような感触があった。
 快楽が延髄を走る。興奮に身を任せ、そのまま腰をグラインドさせる。
「中に出してもバレないんじゃないかって考えてたんだけど……」
 刹那、亀頭に硬い何かが触れた。
 異物感は尋常じゃなかった。
「何だこれって思う暇もなかった」
 細かいぎざぎざがついた、硬い陰毛のようなものがペ○スを包んだ。
 先端の敏感な部分だったからすぐにわかったという。
 それでもペ○スを奥に差し込もうとすると、異物は一度離れ、それから今度は鮮烈にペ○スを包んだ。糸のようなノコギリで亀頭が擦られたような痛みだった。音で表現するなら「ザリッ」とした痛みが走ったという。
 女を放り投げるようにペ○スを抜くと、先端にコガネムシが抱きついていた。まるで釣りのようだったと小暮は話す。
 慌てて振り払った。
 女は飛び起き、飛んでいったコガネムシを大切そうに拾ったという。
 小暮の頭に、怒りの衝動と、この場にいてはいけないという危機感が同時に生まれた。
「それでも店の奴に文句言おう、そう決めたんだけど……」
 女が初めてハッキリとした声を出した。
「それね、あたしの赤ちゃん」
 全身に恐怖が走った。
 コイツ、イッてる。
 女の陰毛が蠢いた。まだ中に数匹いて、這い出ようとしているようだった。
 小暮は服をひっつかむと金を叩きつけ部屋から飛び出た。
 財布から金を出そうともたついている間、女は笑いを抑えつけるように歌っていたという。
「……はかねもちだ、かねぐらたてた、くらたてた。こどもにみずあめぇ、なめさせたぁ」
 ニヤついた女の笑みはまだ小暮の脳裏から消えていない。


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