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ユニットバスからの灯り

「やべ、便所の電気つけっぱじゃん」
 福谷さんが一人暮らしの六畳1Kのドアを開くと、暗い室内からユニットバスの灯りが漏れていた。
「なんだよ、もう、いくらかかんだよ」
 その月は遊びすぎたせいで財布は寂しくなっていた。暗闇の中、自分のうっかり具合に苛立ちながらまずはユニットバスの電気を消そうとスイッチに手を伸ばす。手首を掴まれた。犯罪者を捕まえるような掴み方だった。
 福谷さんは反射的にうわああああと雄叫びをあげ、腕を振り払うと一目散に駆け出したという。
 警察に連絡したが、侵入された形跡はなかった。

 千歳烏山のアパートでの出来事である。そのアパートは未だ現存する。
 掴まれた腕には二週間ほど痣が残ったそうだ。
 
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