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多摩エリアの病院にて

 四谷さんが病院にて夜勤中。
 手術室の前を通ると、スイッチで開く筈のドアが自動で開閉した。
<ウィーン、ウィーン、ウィーン……>
 足をとめ、闇の中を覗きこんだ。
 誰もいない。
 当たり前だ。
(故障だろう)
 当然、そう考える。
 ロッカーに私物をとり、ナースステーションに戻ろうと再び手術室の前を通る。
<ウィーン、ヴヴウィーン、ウィウヴヴィン……>
 隙間になにか挟まっているような鈍い音に思わず足を止めた。目を凝らす。ドアの下の隙間から何か赤黒いものが見えてくる。
 内臓の一部と思われる肉片が押し込まれていた。
 耳のすぐそばで、「もうおわりたい」男の野太い声が響いたという。
 四谷さんは這うようにナースステーションに戻った。後ろは振り返れなかった。

 その後に人を呼び、手術室の前に戻ったが隙間に押し込まれているものは存在せずドアは閉まったままだったそうだ。
「もう十年も前の話ですけど、まだその病院のナースたちは夜勤中に手術室を通るときには、耳を塞ぐそうです」


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