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凧揚げ

 美津男くんが小学生の頃、お父さんと凧揚げで遊んだときの話。場所は都内某公園。

 初めて揚げる凧に美津男くんは興奮していた。
 風をつかもうと犬のように駆けまわる。
 いよいよ青空に舞った凧は、タコ糸を掴む美津男くんを空に引っ張っているかのようだった。
「木に気をつけろよ。枝に絡まって取れなくなるぞ」
 父親に注意された直後、強い風が吹いた。勢いが緩和されなかった凧は大樹に一直線に向かう。絡まる、と思った瞬間。
 あ。
 ――掴まれた、と美津男くんは思った。
 枝に挟まったわけではなかった。
「今でも思いだせる。幻覚とは思えない鮮明さで――」
 樹木の頂上に、異形がいた。
 パンパンに膨れ上がった身体。
 伏せているので顔は見えないが、黒い髪が浜に打ちあがった海草のように見える。
 溶け崩れたロウのような腕が、凧を掴んでいた。
 顎が揺れる様は、笑っているようだったという。

 凧が再び空を舞った。
 美津男くんが樹木に視線を戻すと、異形は消えていたとう。
 大人になった今では、あれが溺死体そっくりだったとわかる。

 件の公園は怪談好きには名高きあの多磨霊園とほぼ隣接しているという。

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もうちょっと、パンチが欲しいなあ〜´д`

2016-05-09 23:19 │ from 名無しURL

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