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 連休の前日、國松さんは飲み会でしたたかに酔い、新宿駅ホームを歩いている最中にホームから転落した。
「落下する感じに酔いが一発で醒めたよ。いやぁやっぱり落ちる瞬間に色々考えちゃうんだよなぁ」
 あぁこんな悲惨な最期なのか。
 冷蔵庫のイクラ食っちまえば良かった。
 ケンジのバイトの話聞いてないなぁ。
 ヤマさんと週末約束してたのに。
「不思議だよな、一瞬なのに。ただ落ちても電車はこなかった。痛みなんて感じないんだけど、もう恥ずかしくて恥ずかしくて。見上げるとホームで俺を見る人わらわら集まってきてるんだもん」
 慌ててホームに手をかけ、登ろうとする。
「大丈夫ですかぁ?」
「車掌さん呼んできた方が」
「おっさんヤバいね」
 という頭上から浴びせられる言葉に、國松さんは異常を聞き取った。
「死んでみせろ」
「思い出作らせろ」
 女性の声だった。どす黒い声だった。自信はないが二人分の声だったという。


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