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Paul Smithの定価3万するシャツだけど

 蒸し風呂のような暑い日。
 ベランダに干したシャツが揺れている。
 読書から顔を上げた大輔さんが窓を見つめていると、シャツの袖がふらふらと揺れている。
(ハンガーごと風で吹き飛ばされないといいけど)
 揺れたシャツは窓越しに、ちょうど大輔さんに向き合う形になった。
(あれ……?)
 風が吹いている様子は無かった。
 シャツの袖が狂ったように左右に振れる。
 手を振っているように思えた。
 ――あ、呼んでる。僕を。
 そう実感した大輔さんは、カーテンを閉めて慌てて外に出たという。

「うちのマンションって大通りに面しているんですけど、少し前にその通りで死亡事故が起きたばかりなんです。首がありえないくらい曲がって死んだって聞きました。だから、たぶんその時の人じゃないかなぁって直感して……」
部屋に戻ると、シャツはベランダの床に落ちていた。風だけでそうなると思えないほど首周りが捩れていたという。
 惜しかったがシャツは捨てたそうだ。
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