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実家からの……

 山城さんは学生の頃、月に一度送られてくる実家からの援助物資を何よりも必要としていた。
 パチンコにはまっていたので常に金欠だったという。
 その日もヤマト運輸から荷物が届けられた。差出人が親の名前であることを確認すると、山城さんは箸を片手にダンボールを空けた。
 フリカケでも入っていれば一日はしのげる。
 運が良ければお金が入っているかもしれない。
 しかし中に入っていたのは本数冊、いたんだ蜜柑、タッパに詰められた煮物だった。
 違和感があった。山城さんのお母さんはすぐにカビが生えるからと蜜柑は仕送りのダンボールに入れたことはなかった。
 中身を漁ると手紙が入っていた。

 たいちょうはくずしてませんか
 かぜひいてませんか
 やんでませんか

 今までにないことだった。
 首をひねりながら母親に電話をすると、荷物はまだ送っていないという。催促と勘違いした母親は明日送るから、と笑いながら答えた。
 差出人を確認したが、そこには実家の住所と母親の名前が記載されてあった。
 山城さんは「いらない。明日帰るから」と返した。
「それからしばらく実家にいたよ。不気味な誰かが実家の住所を知っていて、何をするかわかんないからさ」
 結局犯人はわからなかったという。
 ダンボールに入っていたものは全て捨てた。
「本がさ、おかしいんだよ。ベストセラーのカバーはかかってるけど……」
 世間ではカルトとされる、とある宗教の思想書だったという。
 山城さんは卒業後、実家に戻った。
 何か起きるのであれば自分の身であって欲しい、
 最後にそう語っていた。

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